「最近物忘れがひどくて…」と本人が心配しているうちは、認知症ではない?脳科学の真実
2026/05/22
「最近、物忘れがひどくてなぁ。ボケてきたんじゃないかと心配で…」
リハビリここらdayの現場でも、ご利用者ご本人からこのような不安の声を直接お聞きすることがよくあります。ご家族としても、本人がそんなに氣にしていると「本当に認知症が始まっているのでは?」と心配になってしまいますよね。
しかし、リハビリの専門職(作業療法士)の視点からお伝えすると、この不安の多くは「認知症が進んでいる」のではなく、ただ「物忘れに意識が向きすぎているだけ」というケースが非常に多いのです。
これには、人間の脳の仕組みに隠された面白い理由(エビデンス)があります。
1. 新しい車を買うと、急に同じ車ばかり目につく理由
みなさんは、こんな経験はありませんか?
「自分が新しい車を買うと決めた瞬間から、なぜか街中で同じ車種や同じ色の車ばかりがやたらと目に飛び込んでくるようになる」
急にその車が日本中で大流行したわけではありませんよね。これは脳科学で「選択的注意(カラーバス効果)」と呼ばれる仕組みです。
人間の脳は、毎日入ってくる膨大な情報の中から、「自分が今、一番関心を持っている情報」だけを自動的に拾い上げるフィルターを持っています。裏を返せば、関心のない情報は目の前にあっても脳が勝手に消去しているのです。
2. 若い頃から、私たちは毎日「度忘れ」をしていた
これと全く同じことが、「物忘れ」でも起きています。
「年齢のせいかしら」「認知症かもしれない」と一度不安になり始めると、脳のフィルターが『物忘れに関するあらゆる出来事』を重要情報としてキャッチし始めます。その結果、これまではスルーしていた些細な度忘れを、脳がわざわざすべて意識にのぼらせて「ほら、また忘れた」「やっぱりボケてきている」と、自分で自分に証拠を突きつけるようになってしまうのです。
人間は、20代でも30代でも「あれ、何しに2階に上がってきたんだっけ?」「スマホどこ置いたっけ?」という度忘れを日常的にやっています。ただ、若い時は「他に考えることが多かったから」「疲れているから」と、氣にも留めていなかっただけなのです。物忘れの回数そのものが急増したというより、【物忘れに対するアンテナが敏感になりすぎているだけ】という側面が非常に大きいのです。
3. 「自分で氣にしている」うちは、脳が正常に働いている証拠
医学的にも、大切な判断基準があります。本人が「最近物忘れがひどくて心配だ」と悩んでいる状態は、専門用語で「良性健忘(加齢による自然なもの)」である可能性が非常に高いと言われています。なぜなら、自分の状態を客観的に見て「忘れてしまった」と自覚する高度な脳の機能が、しっかりと働いている証拠だからです。
本当に認知症が進行してくると、むしろ「忘れたこと自体を忘れてしまう」ため、本人はあまり氣に病まなくなる(病識の低下)という特徴があります。
つまり、「ボケてきたかしら」と本人が心配して悩めているうちは、脳はしっかりと正常な機能を保とうとしてがんばっている状態なのです。
4. 不安という「心のブレーキ」を外して、生活に「活氣」を
「物忘れを過剰に氣にする」→「不安になって外に出なくなる・自信をなくす」→「脳への刺激が減って本当に認知機能が低下する」という悪循環が、シニア期における一番のリスクです。
今ご本人に必要なのは、物忘れの数を数えて落ち込むことではなく、若い頃のように**「目の前の楽しいことや、体を動かすことに夢中になる時間」**を作ることです。夢中になって脳のフィルターが別の楽しいことに向いているとき、物忘れの不安は消え去っています。
当施設(リハビリここらday)では、ただ身体を動かすだけでなく、ご利用者様が不安を忘れて主体的になれるような「張り」のある時間を提供しています。過剰な不安という心のブレーキを外し、脳と体に心地よい血流を巡らせていきましょう!もしご本人やご家族が不安に囚われそうになった時は、いつでも私たち専門職にお氣軽にお声がけくださいね。
それではまた氣の向く頃に
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