【連載:胃腸の声を聴く】第4回:翌朝の便を決めるのは「前夜の脂質」
2026/10/17
📖 前回は「日中やお風呂上がりの飲み物に潜む落とし穴」についてお話ししました。日常の水分補給、少し見直せそうでしょうか?
今回は、「家族と同じものを食べているのに、なぜか自分だけお腹がゆるくなる」という、多くの方が抱える謎について解き明かします。
そんな理不尽な思いをしたことはありませんか?同じ入力(食事)なのに、出力(便)が違う。この謎を解くための重要なキーワードが、健康診断でお馴染みの「悪玉コレステロール(LDL)」です。
🧴 コレステロールは「強力な洗剤」の材料
悪玉コレステロールが高いと指摘されると、「動脈硬化」や「心筋梗塞」といった血管の病氣ばかりが氣にされがちです。しかし、実はこの数値、私たちの消化器官(胃腸)と密接に連動しています。
体内にあるコレステロールの重要な役割の一つが、「胆汁(たんじゅう)」という消化液の原料になることです。胆汁は、食事から摂った「脂質」を水と馴染ませて消化・吸収しやすくするための、いわば「体内の中性洗剤」のようなものです。
豚肉・牛肉などの脂身(飽和脂肪酸)は常温で白く固まる
お皿の白い脂汚れが水だけでは落ちないのと同じで、体内でも強力で大量の「洗剤(胆汁)」が必要
脂っこい食事をとるほど、より多くの胆汁が肝臓から分泌される
💦 溢れた洗剤が大腸を直撃する
夜ご飯にお肉やマヨネーズ、ごま油などを使った脂っこい食事をたっぷり食べたとします。すると、寝ている間に体の中では何が起きるでしょうか。
脂を処理するために、肝臓から大量の胆汁(洗剤)がドバドバと分泌される
通常は小腸で回収されるが、脂が多すぎて分泌量が限界を超えると回収しきれない
大量の胆汁が大腸へ溢れ込む → 大腸の粘膜に強烈な刺激を与える
大腸が「早く洗い流さなきゃ!」とパニックになり、腸壁から水分を分泌・ぜんどう運動を加速 → 翌朝の軟便が完成
🤔 なぜ「自分だけ」軟便になるのか?
それは、一人ひとり「脂質を処理する内臓のキャパシティ(限界値)」が違うからだと推測されます。
ご家族にとっては「適量の脂質」でも、あなたにとっては処理能力をオーバーしている
悪玉コレステロールの数値が高い方は、すでに体内の脂質処理が追いつておらず、胆汁の過剰分泌が起きやすい状態
脂が胃に長く留まることで「胸焼け」も引き起こす → 上(胸焼け)も下(軟便)も、共通の犯人は同じ
+ 軟便(下の不調)
↑ どちらも犯人は「キャパシティを超えた前夜の脂質」
🥩 「肉は悪」なのか?
肉類には活力を生み出す重要な栄養素が含まれており、完全に排除すると筋肉量の低下や貧血など、別のリスクを招いてしまいます。
大切なのは、「お肉とお魚の脂の違い」を知り、ご自身の内臓のキャパシティに合わせて微調整していくことです。
次回は、私自身が身をもって実験した結果をお伝えします。
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